想いが形になっていく楽しさ(大河原さんご一家)
「絶対に無理」から「建てられるかもしれない」に
「家を建てたいね」という話は6年前くらいからしていて、ある雑誌を見て、建てるなら木の家がいいねなんて言っていました。話はなかなか現実にはなりませんでしたが、2年くらい前から地域の工務店や住宅展示場などを見て回ったり、話を聞いたりしながら、土地探しを始めました。
以前、西川材のラックを「きまま工房・木楽里」でつくったことがあったので、木の家の勉強をしているときに木楽里のHPも見ました。そこから西川・森の市場のことを知り、木の家セミナー&相談会「家づくり~始まりから完成まで~」に参加しました。
木の家を建てるなら地元の西川材を使いたい
私(奥さま)は飯能が地元だったので、西川材という地域材があることは知っていました。親戚が製材のために木の皮を鎌でむいているのを見ていたこともあります。飯能に住むのだし、木で家を建てるなら地元の材である西川材を使いたいと思いました。
自分たちの言いたいことを言えた
当初、私たちは平屋を希望していましたが、決めた土地でそれは難しかったので、年を重ねたときに1階だけで過ごせるようにしたいと考えました。それは、後から間仕切りできるようにしておくことで実現しています。他に畳を敷いて掘りごたつにしたい、四角いシンプルな形で三角屋根の家にしたい、などの希望がありました。
設計をお願いしたコウ設計工房の大沢さんには細かくいろいろと言いましたが、しっかり聞いてくれました。やめた方がいいときにはきちんとアドバイスや提案がありました。大沢さんの人柄なのでしょうね。振り返っても、自分たちの言いたいことを言えたなと実感しています。
想いが形になっていく楽しさ
施工のシミズ工務店さん(以下、シミズさん)は大沢さんに紹介してもらいました。大沢さんの提案で自然の力を循環させるシステム(※)を取り入れることにしたのですが、シミズさんはその設置経験もあるし、会社も近所なので、後々も面倒を見てもらえると思い、安心してお願いしました。
1階の柱に使った磨き丸太は、自分たちで丸太の皮をむいて磨きました。作業はとてもおもしろく、丸太が磨き丸太になる過程を身をもって知ることができよかったです。
また、外壁の格子に使う材木の色を塗る作業では、シミズさんには作業場を貸してもらっただけでなく、作業を手伝ってもらい本当に感謝しています。その格子は、かわいくしたいという私(奥さま)の希望が反映され、半円型に並べられました。
最終段階まで計画していた掘りごたつは、予算の関係で削ることになってしまいましたが、住んでみて、1階はフラットにしておいてよかったと思っています。建てている過程を見てきたので家の構造がわかるし、建ってからも木が見えるので、立派だなと感じます。
こうしてどんどん家が建っていくのが楽しかったです。
木の家は、やっぱり気持ちがいい
木の家を見学したとき、そこにいると気持ちがいいと感じていましたが、実際に住んでみてやはりそう感じています。木には割れ、キズつきやすい、季節による収縮などがありますが、付き合っていける範囲です。
まだ住み始めてから間もないですが、冬は暖かかく、基本はこたつだけで、寒い時にエアコンをつける程度で過ごせました。こたつからでるのが寒いというようなこともありませんでした。
また先日今年一番の暑い日が続きましたが、そのときも涼しかったです。本当にジメジメしません。機能や性能のことはわかりませんが、同じ暑いでも湿度が違う気がするのは、木が調湿してくれているからでしょうか。そのおかげか室内干しの洗濯物も乾きやすいです。帰宅したときの熱気がこもった感じもありませんでした。
床でゴロゴロしてみてほしい
柔らかいのが気に入り、床はスギにしました。私たちは二人とも床でゴロゴロして過ごすのが好きです。こうしていると気持ちがいいし、肌触り、空間の良さが感じられます。寒い時でも床は冷たくありませんしね。
木の家を検討している人はうちに来て、一度寝てみてください。木の家の良さを伝えるには「来て」「見て」「感じて」もらうのが、一番早いです。我が家を見てもらわないのはもったいないと思っているくらいです。
予算が合えば、木の家が絶対におすすめです。木の家で設計士さんに頼んだと話すと「すごいね」と言われます。ですが、設計士さんは自分たちではわからないところ、判断できないところ、コストや細かいところまで見てくれるし、意見を聞いてくれます。工事についてはますますわからないし、交渉しにくいですが、そこをかわりにしてもらえたので満足しています。
木の家を建てる人が増えてくれたらいいと思います。本当に心地よいです。体験するのが一番ですよ!
聞き手・文:永井里沙(事務局)/写真:徳永一貴